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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻8号

1994年08月発行

今月の臨床 胎盤—母児接点としての役割

Overview

2.胎盤研究の流れ—機能面

著者: 森山郁子1 斎藤滋1 飯岡秀晃1 一條元彦1

所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.958 - P.959

文献概要

胎盤の物質輸送
 胎盤における各種栄養物質の輸送機構は,invivo,胎盤スライス法,胎盤循環灌流法などの方法を用いてその検討がなされてきた.一方,近年,ヒト胎盤絨毛細胞より刷子縁部位を膜小胞として分離する方法が確立され,この膜小胞法で胎盤におけるアミノ酸の能動輸送には,Na濃度勾配のみならずK濃度勾配,Cl濃度勾配さらには膜電位差などが関与していることが明らかとなった.また,グルコースに関しては,すでに5種類のトランスポーターが発見されそのうちの1型が主にヒト胎盤絨毛上皮に存在することが判明している.一方,アミノ酸のトランスポーターについては,その実体は明らかではないが輸送担体の精製同定がされつつある.
 胎盤における脂質の輸送機構は不明の点が多いが,妊婦の高脂血の生理・病理的意義および妊娠中の脂質代謝も十分明らかでない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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