icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻8号

1994年08月発行

今月の臨床 胎盤—母児接点としての役割

疾患と胎盤

18.過期妊娠

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久産婦人科医院

ページ範囲:P.1002 - P.1005

文献概要

過期妊娠と胎盤
 胎盤重量増加は,妊娠40週以降は非常に緩やかになり,増大する胎児のガス交換,栄養補給が十分にできなくなる,このアンバランス(胎盤重量増加速度減少と胎児ガス交換および栄養要求の増加)が胎児死亡や stress 増加の原因となる.Naeyeは妊娠42週以降の胎児のストレス増大や子宮内胎児死亡原因は胎盤機能低下よりもむしろ胎児要求増大が原因であろうと述べている1)
 過期妊娠に見られる胎盤の異常で増加するものは絨毛膜羊膜炎である.いくつかの原因が考えられるが,絨毛膜羊膜炎の主な原因は頸管を通しての上行性感染であることから,頸管粘液の減少も関与するものと思われる.多くの絨毛膜羊膜炎は母体や胎児への悪影響を及ぼさないが,絨毛膜羊膜炎がない場合に比べて胎児や新生児死亡の相対危険度は軽度絨毛膜羊膜炎が存在すると2.6倍,中等度または高度絨毛膜羊膜炎が存在すると4.1倍になる(P<0.001)1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら