icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科48巻8号

1994年08月発行

今月の臨床 胎盤—母児接点としての役割

トピックス

25.妊娠性蛋白

著者: 水谷栄彦1

所属機関: 1名古屋大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1022 - P.1024

文献概要

 著者らは,胎盤中の各種プロテアーゼ類を検索し,妊婦血清中のプロテアーゼ類との関係を明らかにしてきた1).最近ではアミノペプチダーゼPの存在を認め,その精製を行い,酵素学的性質を明らかにしつつある.本稿では,胎盤プロテアーゼと母体胎児の血圧調節機構について述べる.
 1940年代に妊婦血中にWerleがオキシトシン(バゾプレシン)分解酵素,Pageがアンジオテンシン分解酵素の存在を報告した.これらが胎盤プロテアーゼ研究の発端である.バゾプレシンは細動脈を収縮させ血圧を上昇させるペプチドで,水分保持も行うので,抗利尿ホルモンと呼ばれている.アンジオテンシンIIは生体内の強力な血管収縮性ペプチドのひとつである.妊婦血中にバゾプレシンやアンジオテンシンを分解する酵素が存在することはこのように古くから知られていたが,それらはあまり詳しくは検討されてこなかった.胎盤プロテアーゼは,妊婦血中に遊出することから,私は約25年前妊婦血中プロテアーゼの測定を胎盤機能検査法として臨床応用することから始めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら