icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻1号

1995年01月発行

文献概要

今月の臨床 CTかMRIか—婦人科腫瘍読影のポイント その他

13.後腹膜腫瘍の診断と鑑別

著者: 加藤友康1

所属機関: 1癌研究会病院婦人科

ページ範囲:P.106 - P.110

文献購入ページに移動
CTかMRIか
 後腹膜腫瘍には,脂肪肉腫,平滑筋肉腫,悪性線維性組織球腫,神経鞘腫,胚細胞腫瘍などがある.まれに,上皮性卵巣腫瘍と同じ組織型の原発性腫瘍もみられる.
 後腹膜腫瘍の診断には,一般に超音波,CT, MRIが用いられる.MRIは,①撮断面の任意性,②T1, T2強調像での腫瘍内部の信号強度の差異,③Gd—DTPA造影による変化など,後腹膜腫瘍の存在・質的診断に必要な情報量が多い.したがって現時点ではMRIが最も優れている点に異論はない.しかし,石灰化病変の描出能については,MRIはCTに遥かに劣る.軟部腫瘍の多くは石灰化を生じるので,その描出は,診断の有力な手がかりとなる.よって,CTも不可欠と考えられよう.CTとMRIの優劣を競うのではなく,相補的に診断に用いることが肝要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?