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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻10号

1995年10月発行

文献概要

今月の臨床 初期治療60分—産科救急 感染

10.エンドトキシンショック

著者: 萩尾洋介1

所属機関: 1唐津赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.1376 - P.1379

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 エンドトキシンショックは,グラム陰性桿菌の菌体内毒素(エンドトキシン)により発生するショックであるが,広範囲熱傷や重症外傷でも同様の病態がみられる.最近のサイトカインネットワークに関する知見の急速な増加に伴い,これらの病態は全身性炎症反応症候群(SIRS)として考えられるようになった.すなわち,エンドトキシンによる直接的な生体反応と考えられていたエンドトキシンショックが,外因性物質に対する,生体側の過剰な防御反応によって産生される種々の内因性物質によって引き起こされることが明らかになってきた(図).
 産科領域にみられるショックの大部分は,出血性ショックであり,エンドトキシンショックを含む非出血性ショックの頻度は少ない(5〜10%).しかし,一旦,エンドトキシンショックを起こした場合の死亡率は高く(20〜50%),きわめて重要な病態といえる.本稿では,最近の知見をふまえて,初期治療のポイントにつき概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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