臨床婦人科産科49巻10号

1995年10月発行

今月の臨床 初期治療60分—産科救急

呼吸困難と循環不全

17．肺水腫

著者： 岡本悦治¹

所属機関： ¹広島市立安佐市民病院

ページ範囲：P.1398 - P.1399

文献概要

　産科領域における肺水腫の発症は，妊娠中毒症の管理の向上とともに減少傾向にある．しかしながら最近では，流早産の治療に使用される塩酸イソクスプリン（ズファジラン^®）誘導体である塩酸リトドリン（ウテメリン^®）により肺水腫を発症したとの報告が諸施設よりされている^1,2）．肺水腫は重篤な場合，致死的となる疾患であり，産科救急での初期段階の適切な処置が重要である．