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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻11号

1995年11月発行

今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス

新しい病態を探る

3.排卵障害とinhibin, activin

著者: 峯岸敬1

所属機関: 1群馬大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1478 - P.1480

文献概要

 アクチビン,インヒビンは,卵胞液から分離された生理活性物質であり,卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌の調節に重要であると注目されるようになった.FSHの分泌抑制因子であるインヒビンの精製過程において,卵胞液中には下垂体からのFSH分泌を促進する物質も存在することが見いだされ,その物質はアクチビンと名づけられた.このためインヒビンとアクチビンは逆の生物活性をもつが構造上は,非常に類似している.これらの物質はTGF—βと似ていること,さらにともに細胞増殖因子としての作用を持つことよりTGF—βスーパーファミリーの蛋白質として分類される.
 さらにアクチビン,インヒビンが下垂体のみならず卵巣局所で,卵巣発育に重要な役割を持つことが示されてきた.いまだ排卵障害と直接的に関連させられるものではないが,今後の検討により病態解明に必要な情報を提供してくれる課題と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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