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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻11号

1995年11月発行

今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス

新しい病態を探る

6.PCOとインスリン抵抗性

著者: 田辺清男1 岸郁子1 浜谷敏生1 杉原一廣1 北岡芳久1 斎城綾子1 野澤志朗1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1488 - P.1490

文献概要

 PCOS(polycystic ovary syndrome;多嚢胞性卵巣症候群)は,両側卵巣の多嚢胞性腫大を基とする症候群であり,当院においても月経異常を主訴に来院する患者のうちの約22%を占めている1).月経異常(稀発月経や無月経など)以外の臨床症状としては,不妊,男性化徴候,肥満などがある.また,内分泌検査値では,血中LH基礎値の高値,FSH値正常,LH/FSHの異常高値などが主にあげられる(表)2).男性化徴候は,多毛などの臨床症状や,血中テストステロンやDHEA—Sなどのアンドロゲン高値で判断される.
 一方,インスリンの標的細胞の異常によるインスリン感受性の低下,すなわちインスリン抵抗性が,PCOSの患者に見られることが最近言われている.また,アンドロゲン過剰状態とインスリン抵抗性によるインスリン過剰状態との関連も示唆されている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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