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今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス 新しい病態を探る
8.神経性食欲不振症の心理
著者: 野添新一1
所属機関: 1鹿児島大学医学部附属病院心身医療科
ページ範囲:P.1494 - P.1496
文献購入ページに移動 わが国で神経性食欲不振症(anorexia nervosa,AN)患者が全国レベルで報告されるようになって少なくとも20年を経過した.
この間,本症の病態も新しい知見が加えられ,診断基準も幾度か改訂されてきた.これらは本症の病態心理・生理が,時代とともに文化・社会的因子の影響を受けながら変わりうる可能性を示唆している.たとえば,ANとして発症した症例は,数年後には80%以上が神経性過食症(bulimianervosa, BN)へ移行する.一方,数か月間の過食後,BNとなり,極端な体重減少はないにもかかわらず,3か月以上の無月経を年に1回から数回経験しながら,約10年後に新たなストレスを契機にANへ移行することもある.
この間,本症の病態も新しい知見が加えられ,診断基準も幾度か改訂されてきた.これらは本症の病態心理・生理が,時代とともに文化・社会的因子の影響を受けながら変わりうる可能性を示唆している.たとえば,ANとして発症した症例は,数年後には80%以上が神経性過食症(bulimianervosa, BN)へ移行する.一方,数か月間の過食後,BNとなり,極端な体重減少はないにもかかわらず,3か月以上の無月経を年に1回から数回経験しながら,約10年後に新たなストレスを契機にANへ移行することもある.
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