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今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス 新しい病態を探る
9.肥満と排卵障害
著者: 大野洋介1 本庄英雄1
所属機関: 1京都府立医科大学産婦人科
ページ範囲:P.1498 - P.1499
文献購入ページに移動 肥満女性に排卵障害の頻度が高いことはよく知られている.我々の不妊外来を過去3年間に受診した328名の身長,体重からその平均のBMI(体重/身長2)20.7±2.84をもとに,やせと肥満についてその月経周期を検討すると,+2SD以上(BMIでは26.4以上)の肥満女性16名では68.7%と高率に月経周期の不整が見られた(表1).
肥満と排卵障害といえば多嚢胞卵巣症候群(PCOS)というほど,PCOSの古典的概念である肥満,多毛,排卵障害は我々の頭に焼き付いている.しかしながらわが国におけるPCOSに肥満女性は少なく,当科においてもPCOSと診断された女性の平均BMIは20.0±2.0であった.やせによる排卵障害には低LH(<1.0mIU/ml)や高FSH(>40)mIU/ml)といったゴナドトロピン異常の排卵障害の頻度が高いが,排卵障害を有する肥満女性のゴナドトロピン値はほとんどの症例で正ゴナドトロピン値で,高LHを呈したいわゆる内分泌学的PCOSは16例中1例にすぎなかった.
肥満と排卵障害といえば多嚢胞卵巣症候群(PCOS)というほど,PCOSの古典的概念である肥満,多毛,排卵障害は我々の頭に焼き付いている.しかしながらわが国におけるPCOSに肥満女性は少なく,当科においてもPCOSと診断された女性の平均BMIは20.0±2.0であった.やせによる排卵障害には低LH(<1.0mIU/ml)や高FSH(>40)mIU/ml)といったゴナドトロピン異常の排卵障害の頻度が高いが,排卵障害を有する肥満女性のゴナドトロピン値はほとんどの症例で正ゴナドトロピン値で,高LHを呈したいわゆる内分泌学的PCOSは16例中1例にすぎなかった.
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