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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻11号

1995年11月発行

今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス

新しい病態を探る

11.Turner症候群と卵胞閉鎖の機序

著者: 櫻木範明1 古田伊都子1 藤本征一郎1

所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1504 - P.1508

文献概要

ターナー症候群における閉鎖とgonadal dysgenesis
 ターナー症候群についての記載は1938年にHTurnerが性的発育不全,低身長,翼状頸,外反肘を特徴とする15〜23歳の女性7人について報告したのが始まりである.ターナー症候群では卵巣の形成不全が見られ索状(streak gonad)となっている.ターナー症候群における染色体が45,XであることはFordら(1959)1)によって初めて記載された.その後45,Xばかりではなく,モザイクやX染色体のいろいろな構造異常がターナー症候群婦人で発見されている2)(表1).基本型である45,X婦人の91%に索状性腺が認められる.しかし45,X個体の発生初期の性腺には胚細胞が正常卵巣と同様に存在していること,また胎齢10週を過ぎた45,X胎児卵巣では胚細胞が異常に減少していることがSingh & Carr (1996)3)により報告され,胚細胞の異常な喪失がターナー症候群における性腺形成不全(gonadal dysgenesis)をもたらすことが示された.
 ヒトにおける正常の卵巣の発生過程をみてみると,21〜24日齢頃に原始胚細胞(primordialgerm cell)が卵黄嚢中の内胚葉に出現し,妊娠5週頃に卵黄嚢から後腸,腸間膜を経て中腎(mesonephros)の一部に移動する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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