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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻11号

1995年11月発行

今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス

新しい病態を探る

13.加齢と排卵障害

著者: 佐藤孝道1

所属機関: 1虎の門病院産婦人科

ページ範囲:P.1512 - P.1515

文献概要

 Baker1)の研究のように,卵祖細胞の数は母体胎内にいる妊娠16〜20週に最高になり,6〜700万個に達する.卵子は卵祖細胞から減数分裂によって作られるが,この数も母体胎内で卵祖細胞のピークに遅れて最高に達し,その後は閉経によって消失するまで,減少し続ける.つまり,卵子の数という点から見る限り,女性はすでに母親の胎内にいるときから,閉経に向かって加齢に伴うドラマチックでかつ連続的な変化を遂げていることになる.
 一方,「排卵障害」というのは,漠然とした概念である.多くの場合は,「排卵の有無」が問題になるが,加齢という観点から見れば,「排卵の質」,つまり排卵がどのような内分泌環境下で行われるのか,あるいは卵の質がどうなのかが問題になる.実際、高齢の不妊症の患者を診ていても,少なくとも基礎体温上「両排卵の有無」が問題になることは少なく,排卵はしているのだけれどもなかなか妊娠をしないということのほうが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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