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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻11号

1995年11月発行

今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス

効果的治療法の選択

14.クロミフェン無効例への対応

著者: 矢野樹理1 松浦俊平1

所属機関: 1愛媛大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1516 - P.1519

文献概要

 クエン酸クロミフェン(クロミッド)は,不妊原因の15〜25%を占める排卵障害の治療薬として,日常診療でよく使用される経口排卵誘発剤である.クロミフェンは抗エストロゲン剤であり,その作用機序は視床下部のエストロゲンレセプターに競合的に結合し,GnRHのパルス頻度および振幅を増加させ,下垂体からのゴナドトロピン分泌を亢進させることにより,卵胞成熟ひいては排卵を誘発させる.適応は卵巣からエストロゲン分泌の認められる視床下部性第一度無月経ならびに無排卵周期症であり,その治療周期あたりの排卵率は,各々70%,80%程度である.
 クロミフェンは,通常月経開始日または消退出血開始日から5日目より5日間,50〜150mg(1〜3錠)/日を投与するが,150mg投与開始後3週間たっても排卵が認められない場合は,クロミフェン無効例として原因検索ならびにそれに対応した治療法を選択する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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