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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻11号

1995年11月発行

今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス

効果的治療法の選択

15.FSH療法の適応

著者: 松浦講平1 岡村均1

所属機関: 1熊本大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1520 - P.1521

文献概要

FSH製剤の目的と効果(表1)
 1個の主席卵胞を除く卵胞は閉鎖(atresia)という数減らしによって排除され,単一排卵が起こるのが通常の卵巣周期である.ゴナドトロピン(Gn)療法では閉鎖によって消失すべき多数の卵胞が閉鎖過程を免れる結果,可能性として多胎妊娠と卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が発生する.これらの副作用を防止する対策・方法として,投与スケジュールや卵胞発育モニタリングの工夫,GnRHアナログの併用などが報告されている.同時に正常周期のGnレベルの変動に近似した排卵誘発を目的として,FSHの純化も進められてきた.
 閉経後婦人の尿から抽出されたhMG製剤は同量のLHとFSHを含有しているが,両者は生化学的特性の違いから分離可能であり,抽出・精製の過程でLH含量を少なくしたpure FSH製剤が登場し現在市販されている.次に遺伝子工学技術によるrecombinant FSH製剤が開発されたが,製剤のより安定した供給と管理が期待され,現在本邦でも臨床治験が進められている.本剤は異種蛋白の混入がなく皮下注で投与でき,アレルギー防止の点でも有利である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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