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産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン
腹式子宮全摘術における傍結合織処理の工夫
著者: 澤田富夫1 大橋由政1
所属機関: 1藤田保健衛生大学
ページ範囲:P.1550 - P.1550
文献購入ページに移動 腹式子宮単純全摘術は日常治療において最も実施される頻度の高い手術であり数々の方法論,工夫がなされているが,今回著者は日頃実行している傍結合織処理におけるコツを述べてみたい,傍結合織処理は順序としては子宮支持靱帯(円靱帯、付属器の靱帯,時に仙骨子宮靱帯)を処理し膀胱の子宮頸部よりの剥離圧排の後に行われることになる.この結合織には子宮動静脈および尿管が走行しているためこの部の処理の工夫はこの2つをいかに安全に処理するかということになる.特に尿管は傍結合織においては広間膜に付着し可動性のある部位より子宮動脈と交叉し.子宮癌手術で言うところの子宮膀胱靱帯前後層にはさまれた.いわゆるトンネル部分に移行する可動性のない部分との境目に位置する.よってこ可動性のない尿管をいかに安全に側方へ圧排し,子宮壁と傍結合織の間隙に余裕をもたせるかが重要となる.このためにはまず,尿管の可動性のある部分,後方では尿管の付着している広間膜を十分に仙骨子宮靱帯方向へ向かって子宮面より剥離しておくことと,前方においては膀胱と子宮頸部の間隙を十分下方へ圧排することにより(膀胱側板が最も便利)子宮頸部両側に残された膀胱子宮靱帯を膜状にすることが大切である.
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