文献詳細
原著
失感情症スケールで高値を呈した更年期不定愁訴例に対する心身医学的検討
著者: 後山尚久1 豊田勝弘2 折野一郎1 池田篤1 植田政嗣1 坪倉省吾1 植木実1
所属機関: 1大阪医科大学産婦人科 2藍野病院精神神経科
ページ範囲:P.1567 - P.1570
文献概要
われわれの婦人心療・更年期・閉経外来を不定愁訴で訪れ,心理・性格テストを受けた246例のうち,失感情症スケールによる評価で19点以上の非常に高い得点を示した例が9例(3.7%)認められた,これらのうち7例(77.8%)は,全般性不安障害(3例),単極性うつ病,仮面うつ病(3例),心気症(1例)などの精神疾患であった.SRQ-Dでは5例(55.6%)が13点以上を示し,エゴグラムでは「自己否定,他者肯定」的とされるN型およびFC<ACが3例(33.3%)にみられ,CPおよびACの平均値はそれぞれ2.44±0.98および2.28±0.92の低値を示した.
掲載誌情報