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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻12号

1995年12月発行

今月の臨床 いまなぜ“胎児仮死”か

胎児仮死を見逃さない 2.妊娠・分娩時の胎児仮死

1)心拍モニタリングはどこまで有効か

著者: 柳原敏宏1 原量宏1 神保利春1

所属機関: 1香川医科大学母子科学

ページ範囲:P.1621 - P.1625

文献概要

 妊娠分娩管理において重要なことは,胎児仮死を見落とさなくしかも確実に判断することである.従来より多数の胎児仮死診断法が検討されてきたが,なかでも胎児心拍モニタリングや超音波診断装置による胎児心拍数や胎動の分析,さらに羊水量および胎児血液パターンの分析は,胎児の中枢神経系や循環系の状態を直接的に反映するものであり,分娩中に急激に発生する胎児仮死にはもちろん,妊娠中からの潜在胎児仮死の診断にも利用されている.
 我々の施設では開院以来,外来においては,超音波診断による胎児発育,胎動,羊水量などのスクリーニングを行い,妊娠中期以降には妊婦全例に胎児心拍の評価(ノンストレステスト,NST)を施行している.分娩時においても,陣痛開始より分娩まで分娩監視システムを用いた,連続胎児心拍モニタリングを実施している.このように妊娠中から分娩までの徹底した胎児モニタリングを行うことにより,いわゆる潜在胎児仮死の症例は未然に発見されるようになり,また,分娩時において突発的に発生する胎児仮死に関しても,早期に発見されるため,新生児仮死の大幅な減少に役だっている.これらのデータをもとに,今回の主題である胎児仮死の診断に心拍モニタリングはどこまで有効かを分析してみる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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