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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻12号

1995年12月発行

今月の臨床 いまなぜ“胎児仮死”か

新生児仮死への緊急対応

2.新生児期のフォローアップ

著者: 三科潤1

所属機関: 1東京女子医科大学母子総合医療センター

ページ範囲:P.1652 - P.1655

文献概要

 新生児仮死neonatal asphixiaとは出生時に呼吸の確立が遅れ,胎外生活にスムーズに移行できない呼吸循環不全の状態をいう.仮死時の低酸素症に虚血が伴うと低酸素性虚血性脳症となり,神経症状が出現する.神経症状を呈さない新生児仮死例が神経学的後遺症を残すことはほとんどない.また,脳血管の発達や髄鞘化など,脳の成熟度の違いによって低酸素性病変が起こる部位は異なる.未熟な児では脳室周囲白質軟化症PVLとなり,また,脳室内出血IVHの誘因にもなる.成熟児の場合には基底核の大理石様斑紋病変sta—tus marmoratus,傍糸状部大脳損傷parasagittalcerebral injury,選択的神経壊死selective neur—onal necrosis,多嚢胞性脳軟化multicystic ence—phalomalasiaなどが認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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