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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻12号

1995年12月発行

産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン

腟欠損症に対する腹腔鏡を利用したDavydov造腟術

著者: 髙倉賢二1 野田洋一1

所属機関: 1滋賀医科大学

ページ範囲:P.1659 - P.1659

文献概要

 腟欠損症の頻度は4,000〜5,000人にひとりであり,性器奇形としては比較的多いものである.本症に対する観血的治療として本邦においては,①S状結腸を利用したRuge (—Hata)法,あるいは②遊離皮弁を用いるMclndoe法が主な術式であった.Ruge法は新生腟そのもののでき上がりはよいが,侵襲がきわめて大きいという欠点がある.McIndoe法は侵襲はそれほど大きくはないが,採皮部の瘢痕や拘縮が問題であり,移植皮膚が生着しないこともよくある.両者とも使用可能になるまで通常,術後2〜3か月かかるが,これだけの期間をかけるなら保存的に腟を作ることも可能である(Frank法).Davydov法は1969年にロシア語で報告され,1972年にRothmanにより英語で紹介された術式で,開腹操作によりダグラス窩腹膜を新生腟被覆に用いる方法である.今回紹介する方法は開腹操作を腹腔鏡で行うものである.腹腔鏡を省略しても不可能ではないが,やはり,腹腔鏡を行う方が安全・確実であろう.腟前庭側から新生腟となるトンネルを作るのと同時に腹腔鏡も開始する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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