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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻12号

1995年12月発行

文献概要

症例

母体血中テストステロン高値を示したステロイド細胞腫瘍合併妊娠の1例

著者: 津村宣彦1 菊地研1 首藤聡子1 山下陽一郎1 川口勲1 山口潤2 津田加都哉3 角江昭彦3

所属機関: 1帯広厚生病院産婦人科 2帯広厚生病院病理部 3滝川市立病院産婦人科

ページ範囲:P.1681 - P.1683

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 ステロイド細胞腫瘍の発生頻度は全卵巣腫瘍の0.1%とまれな腫瘍であるが,この腫瘍が妊娠に合併するのはきわめてまれである.今回,我々は母児共に男性化徴候を呈したステロイド細胞腫瘍合併妊娠を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
 症例は24歳,2妊未産.妊娠中より低声音,多毛,陰核肥大を認め術後の病理組織検査でステロイド腫瘍と判明し,免疫染色で腫瘍よりのテストステロン分泌を確認した.術前2,660ng/dlと高値であったテストステロンは術後急速に低下し現在1年半経過しているが,正常範囲内で推移しており,また再発徴候もなく,母児共に順調に経過している.母親はもとより,妊娠中長期間高テストステロン状態にさらされていた児の第二次性徴など生殖生理面に関しても十分な経過観察が必要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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