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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻2号

1995年02月発行

今月の臨床 分娩発来—しくみと調節

分娩誘発

10.PGE2経腟投与法の限界

著者: 山口昌俊1

所属機関: 1国立西埼玉中央病院産婦人科

ページ範囲:P.182 - P.183

文献概要

 プロスタグランディン(PG)は,人工授精時に子宮内に精液を注入すると,子宮の収縮が起こり,そのため腟内に精液が押し戻される現象から発見された物質である.当初精嚢腺由来の子宮収縮物質だと考えられたため,プロスタグランディンと名づけられたが,その後の研究で,これらはアラキドン酸を基質としてシクロオキシゲナーゼにより共通の前駆物質であるPGG2,PGH2が産生され,その後PGごとに異なる産生酵素により生じる一連のユニークな構造を持った物質であることがわかった.そのうちでPGE2は図のような構造を持った物質である.PGは体内のほとんどの組織で産生され,その場で作用するいわゆるオータコイドであると考えられる.その薬理作用は多岐にわたり,PGE2は子宮筋収縮作用のほか胃酸分泌抑制や消化管の運動性亢進などの作用がある.
 産婦人科領域では早くから陣痛誘発目的で経口投与されてきたが,最近欧州を中心にゲル剤の経腟投与法が試みられている.本稿ではPGE2の経腟投与法と問題点を中心に解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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