文献詳細
文献概要
カラーグラフ 遺伝講座・9
遺伝子診断の実際・3
著者: 鈴森薫1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.267 - P.269
文献購入ページに移動先天性骨形成不全症の遺伝子解析
先天性骨形成不全症はI型コラーゲンα1鎖あるいはα2鎖の異常により起こることが最近の研究により明らかになっている.本症のうち重症型である骨形成不全症のII型は常染色体優性遺伝形式をとり,新しく発生した変異により起こり,再発の危険はほとんどないものと考えられてきた.しかし,片親のsomatic mosaicismによる同胞発生例が,最近,報告されている.我々は,骨形成不全症II型と診断された兄弟例を経験し(図1),その構造異常と再発機序を分子生物学的に検討した.第1子は出生後の検査により,長管骨を中心に多数の骨折を認め,同症の診断を受けた.その後も骨折をくり返し,3歳2か月時,心不全,呼吸不全で死亡した.
先天性骨形成不全症はI型コラーゲンα1鎖あるいはα2鎖の異常により起こることが最近の研究により明らかになっている.本症のうち重症型である骨形成不全症のII型は常染色体優性遺伝形式をとり,新しく発生した変異により起こり,再発の危険はほとんどないものと考えられてきた.しかし,片親のsomatic mosaicismによる同胞発生例が,最近,報告されている.我々は,骨形成不全症II型と診断された兄弟例を経験し(図1),その構造異常と再発機序を分子生物学的に検討した.第1子は出生後の検査により,長管骨を中心に多数の骨折を認め,同症の診断を受けた.その後も骨折をくり返し,3歳2か月時,心不全,呼吸不全で死亡した.
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