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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻3号

1995年03月発行

今月の臨床 GnRH療法—刺激と抑制

GnRHパルス療法

9.視床下部性無月経のGnRHパルス療法

著者: 伊藤郁朗1 峯岸敬1 伊吹令人1

所属機関: 1群馬大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.300 - P.302

文献概要

 視床下部性無月経とは,視床下部よりのGnRHの分泌不全によるLH分泌不全またはFSH分泌不全により惹起される無月経である.Gonadotro—pin Releasing Hormone(GnRH)は,視床下部より律動的(pulsatile)に分泌され脳下垂体よりのfollicle stimulating hormone(FSH),luteniz—ing hormone(LH)の分泌調整を行っている.1971年にGnRHのデカペプチド構造が決定されて以来,さまざまな研究が進み,1980年代に入りGnRHのパルス状投与による,排卵誘発成功例や妊娠例が報告されるようになった.一方,1991年にマウスのGnRHレセプターのcDNAが決定され,その翌年にはヒトGnRHレセプターの構造が決定された.ヒトGnRHレセプターは,7回膜貫通型のG蛋白共役型レセプターで,328個のアミノ酸からなる.Gonadotrope上のGnRHレセプターは,性ステロイドやGnRHにより調節されている.GnRHを,持続的に投与すると,そのレセプターはdown regulationにより,40〜60%減少するが,パルス状に投与するとup regulationにより2〜3倍に増加する1).これらのことよりGnRHをパルス状に投与することによりGonadotropin分泌を促進し,月経周期の回復や排卵障害の治療に用いている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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