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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻3号

1995年03月発行

今月の臨床 GnRH療法—刺激と抑制

GnRHアゴニスト療法

19.PCO症候群

著者: 大野洋介1

所属機関: 1京都府立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.330 - P.331

文献概要

 多嚢胞卵巣症候群(PCOS)婦人における排卵誘発の第一選択薬はクエン酸クロミフェンであるが,比較的重症の排卵障害のためクロミフェンが無効のことも多い.このような症例にはゴナドトロピン製剤が試みられるが,低ゴナドトロピン性排卵障害婦人と比較して,排卵率や妊娠率が低いこと,さらに排卵しても重症の卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や多胎妊娠,初期の流産率の高いことが問題となる.
 Flemingら1)は,PCOS婦人のゴナドトロピンを用いた排卵誘発にGnRHアゴニストを併用し,排卵率の改善と合併症の減少がみられたと初めて報告した.GnRHアゴニストを用いると,下垂体のdown regulationによりLHの低下がもたらされ,さらにpremature LH surgeが抑制されて治療効果が改善されると考えられた.その後多くの追試がなされたが,ゴナドトロピン単独投与と差がないとするものや,GnRHアゴニスト併用投与が有効であるとするものがあり,その結果はいまだ統一されたものではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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