文献詳細
原著
糖尿病合併妊婦におけるカルシウム代謝の検討
著者: 小原範之1 武内享介1 上田康夫1 森川肇1 望月眞人1
所属機関: 1神戸大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.355 - P.359
文献概要
正常妊婦やGDM妊婦に比し,DM合併妊婦の尿中Ca/Cr比と血清PTH-Cは高値,血清CTは差がなく,血清1α,25(OH)2D3は低値であった.また,平均血糖値の低下に並行して尿中Ca/Cr比が低下した.血清総Caが妊娠中期から減少したDM合併妊婦の新生児に低Ca血症の発症がみられた.以上より,DM合併妊婦には高Ca尿症や血清1α,25(OH)2D3の低値のためにCa平衡が負のバランスに傾いていることが明らかになった.また,母体の血清総Caの減少は新生児低Ca血症の発症に関与している可能性が推測された.
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