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今月の臨床 病態生理の最前線—臨床へのフィードバック 生殖・内分泌
5.受精障害と着床異常の病態
著者: 野田洋一1 喜多伸幸1
所属機関: 1滋賀医科大学産婦人科
ページ範囲:P.413 - P.419
文献購入ページに移動●はじめに
本稿に与えられたテーマは二つの命題を含んでおり,ひとつは生殖医療において最もよく遭遇するものであり,他の一つは最もよくわかっていない領域に関するものである.
受精障害については最近顕微授精法において画期的進歩が見られ臨床的にはかなり克服されたかの感がある.しかし,着床障害については不妊治療を行う中でどうして着床が成立しないのか理解に苦しむ場合が少なくない.とりわけ体外受精胚移植法(IVF-ET)において,形態良好胚を移植しても着床に至らない場合がしばしば経験され,何らかの意味で子宮内膜の胚に対する受容能が十分でない病態を仮定しないと説明し難いと感ずる場合がある.
本稿に与えられたテーマは二つの命題を含んでおり,ひとつは生殖医療において最もよく遭遇するものであり,他の一つは最もよくわかっていない領域に関するものである.
受精障害については最近顕微授精法において画期的進歩が見られ臨床的にはかなり克服されたかの感がある.しかし,着床障害については不妊治療を行う中でどうして着床が成立しないのか理解に苦しむ場合が少なくない.とりわけ体外受精胚移植法(IVF-ET)において,形態良好胚を移植しても着床に至らない場合がしばしば経験され,何らかの意味で子宮内膜の胚に対する受容能が十分でない病態を仮定しないと説明し難いと感ずる場合がある.
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