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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻5号

1995年05月発行

今月の臨床 妊娠と血液

血液疾患と妊娠・分娩

12.ITP

著者: 小林隆夫1

所属機関: 1浜松医科大学産婦人科

ページ範囲:P.602 - P.605

文献概要

 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は自己免疫性血液疾患の一つで,骨髄での血小板の産生障害がなく,末梢での血小板破壊の亢進が血小板減少の原因と考えられるものをいう.その機序は,ある血小板膜抗原に特異的に結合した抗体(IgG)がそのFc部分で網内系(マクロファージのFcレセプター)に取り込まれることにより,血小板減少が引き起こされると考えられている.
 ITPには急性型と慢性型がある.急性型は小児に多く,自然治癒することが多いが,慢性型は成人ことに女性に多く,自然治癒することは少ない.慢性型のITPは若年婦人に好発するため,妊娠との合併が多く,産科医が最も遭遇しやすい血液疾患である.表1にその診断基準を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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