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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻5号

1995年05月発行

文献概要

産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン

回転式骨盤位娩出術

著者: 島田信宏1

所属機関: 1北里大学

ページ範囲:P.643 - P.643

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 経腟分娩での骨盤位娩出術には過去に多くの手技が考案され,臨床の現場で応用されているが,古典的上肢娩出術などをはじめとする多くの方法が,胎児の子宮内での胎位・胎勢をひとつずつ分解して娩出させる手技であった.しかし,よく考えてみると,子宮内での胎児の姿勢はコンピューターでも考えられないほど合理的に,もっとも小さい容積でたたみ込まれたものであることは私達が一番よくわかっている.せっかく,このようにもっとも小さい容積に小さくなっているなら,この形をくずさないで,そのまま娩出させたらもっとも狭い部分も,もっとも小さい容積の内容が通過するので容易に娩出可能なはずである.そこで,子宮内の胎児の姿勢をそのままくずさないで,回転させて娩出する手技を考えて実施している.ネジを押し込むとき,せまい管腔に栓をつめ込むときには,真直ぐに押し込むだけより,ねじり込んだほうがたやすく押し込めるという理論を逆にとり,ねじって,つまり胎児を回転させながら娩出させる.実際には,胎児の躯幹を半分ぐらいまで,肩甲骨がみえるところまで自然に娩出させると,胎児は自然に回転してくるので,術者はガーゼで胎児のからだを両手ではさむように持ち,回転の方向へさらにまわしてやると胎児は娩出する.このとき,胎児をひっぱってはいけない.娩出力は産婦の腹圧と陣痛にたより,こっちは回転力をつけてやるだけにする.分娩外傷のない,大変スムースな骨盤位娩出術となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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