文献詳細
原著
十代の若年女性にみられる月経周期異常に対する臨床検討と漢方薬による治療—虚証例への随証療法の成績
著者: 後山尚久1 坪倉省吾1 池田篤1 植木実1 杉本修1
所属機関: 1大阪医科大学産婦人科
ページ範囲:P.651 - P.655
文献概要
全症例に対し,随証療法による漢方治療を行った.温経湯,当帰芍薬散,あるいは芍薬甘草湯の投与により,有意の下垂体性ゴナドトロピン分泌増加(FSH;86.1%,LH;69.4%),およびエストラジオール分泌増加(77.8%),さらに比較的高い排卵成績(66.7%)が得られ,副作用は認められなかった.これらから,体重減少やストレスなどによる第2度無月経症が多くみられる十代の月経周期異常の治療法のひとつとしての漢方療法の臨床的有用性は非常に高いと考えられる.
掲載誌情報