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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻5号

1995年05月発行

原著

内視鏡的超音波断層法による卵巣癌直腸浸潤診断に関する病理組織学的検討

著者: 寺内文敏1 豊岡理恵子1 田邊勝男1 大熊永子1 天明麻子1 寺内博美1 小倉久男1

所属機関: 1東邦大学医学部第二産婦人科

ページ範囲:P.657 - P.661

文献概要

 卵巣癌が直腸に浸潤性転移をきたしていても,術後化学療法の効果が期待できることより,直腸合併切除術を施行する例が増えてきている.しかし,その診断法に関しては直腸粘膜面まで達する浸潤例以外,すなわち直腸壁内に浸潤が留まる例に関しては,正確で鋭敏な診断法は存在しなかった.不必要な合併切除を避けるために,われわれは消化器癌深達度診断に用いられている内視鏡的超音波断層法を経直腸的に施行し,直腸壁外病変である卵巣癌および骨盤内再発卵巣癌の直腸浸潤を診断評価し,診断精度に関して病理組織学的に検討した.卵巣癌および骨盤内再発卵巣癌計15例を対象とした,3例が病理組織学的に直腸浸潤が証明され,内視鏡的超音波断層法の正診率は75%であった.病理組織学的にも診断精度の高さが証明され,卵巣癌直腸浸潤診断に有用であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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