icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻6号

1995年06月発行

文献概要

今月の臨床 イラスト 小手術 麻酔と切開

3.哆開創傷の再縫合

著者: 北尾学1 有行泰秀1

所属機関: 1島根医科大学産婦人科

ページ範囲:P.684 - P.686

文献購入ページに移動
 開腹術後の創哆開は術前,術後の管理の進歩した現在においても依然として皆無とはならず,術後早期に緊急の対策を講じる必要のある病態で,重篤な合併症である.腹壁創哆開とは腹壁切開創が生理的癒合に至らず,その一部または全部が離開した状態をいう.皮膚,筋膜および腹膜の全層が離開するものと,皮膚のみ,あるいは皮膚と筋膜が離開するものとがある.腹壁創哆開の頻度は0.3〜3.0%と低いが1),周術期管理の改善,抗生物質の使用や縫合素材の開発にもかかわらず後を絶たない.
 創哆開の重症例では創部からの体液の喪失や創感染による敗血症が惹起される危険性も高く,依然として厄介な術後合併症の一つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?