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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻6号

1995年06月発行

文献概要

私の工夫

妊婦における臍下小切開創(マーク切開)による卵巣嚢腫核出術

著者: 合阪幸三1 笹森幸文2 國保健太郎1 斉藤英樹1 都築浩雄1 鳥谷葉子1 吉田浩介1 森宏之2

所属機関: 1賛育会病院産婦人科 2帝京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.785 - P.788

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 臍下小切開(いわゆるマークの切開)により開腹し,嚢腫内容を吸引することにより,内視鏡手術と同様に患部を腹腔外に露出し,核出する方法を開発したので報告する.本術式の適応は,妊娠初期に発見できなかったか,もしくは自然消失を待って経過観察していたが,消失しなかったような症例(妊娠16週以後)で,通常の切開だと妊娠子宮が邪魔になるため,大きな切開が必要となる場合である.術前に超音波断層法により悪性所見のないことを十分確認し,全身麻酔もしくは腰椎麻酔下にマーク切開(2〜3cm)にて開腹する.次いで,無鉤のピンセットで嚢腫を把持し,メスで穴をあけて嚢腫内容を十分に吸引する.その後,創部より嚢腫を引っ張りあげ,腹腔外で嚢腫核出術を行う.終了後は,止血を十分に確認し,牽引解除後の卵巣の創面からの出血を予防し,かつ付属器周辺の癒着を防止する目的で,患部をベリプラストにて包埋し腹腔内に戻す.本術式は,妊娠の中期以後で発見された癒着のない良性卵巣嚢腫に対して,手術侵襲も少なく,試みられてよい方法であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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