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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻7号

1995年07月発行

今月の臨床 婦人科癌の免疫療法

癌と免疫—基礎知識

6.癌遺伝子産物と免疫

著者: 京哲1 井上正樹1

所属機関: 1金沢大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.828 - P.833

文献概要

 ヒトの癌は遺伝子の病気である.いわゆる癌遺伝子は細胞の増殖や情報伝達を司る正常の遺伝子(プロト癌遺伝子)が過剰発現や構造異常によって活性化されたものである.また細胞周期を制御している遺伝子に機能障害(不活化)が生ずると,細胞周期が乱れ,癌化が促進されることから,このような遺伝子は癌抑制遺伝子と呼ばれる.この2つの遺伝子群の異常が発癌に大きく関与している.これらは自己の遺伝子産物であるにもかかわらず,異常発現のために非自己として免疫系に認識され,排除機構として免疫反応が惹起される可能性が考えられる.近年これを癌の免疫療法に利用しようとさまざまな研究が進められている.本稿では癌遺伝子,癌抑制遺伝子産物に対する免疫誘導の研究の現状について解説するとともに,新しい癌治療法としての今後の展望についても触れる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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