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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻8号

1995年08月発行

コラム 新しく始める人へのアドバイス

体外受精とチーム医療

著者: 林直樹1 石原理1 竹田省1 木下勝之1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科

ページ範囲:P.942 - P.942

文献概要

 体外受精においては,患者選択,卵巣刺激,採卵,精子調整および媒精,卵および胚培養,胚移植といったすべての行程においてきめ細かい配慮が必要である.各技術はこれまで改良が重ねられ,現在はある一定のコンセンサスの得られたスタンダードな方法が広く行われており,また安定したqualityをもつ培養液や使用器材が商業ベースで容易に得られる現状である.
 しかしその中で卵および胚のハンドリングは,習熟を要する過程であり,その良し悪しは成績にも大きく影響してくる.これから体外受精を始める方々にとってこの卵および胚のハンドリングがもっとも苦労するところと考えられる.その詳細は各論にゆずるとして,温度,湿度,ガス組成などの至適操作環境の確立,さらに卵や胚を迅速かつ愛護的に行う技術の修得に時間を要する.こうした技術を修得しかつ例外なくきめ細かく実践することは日常臨床に忙殺される臨床医にとってきわめて困難である.さらに精子ならびに受精卵の凍結保存・融解などの操作も必要となるだけに,医師一人の作業では長期的に安定した成績を得ることは不可能となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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