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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻8号

1995年08月発行

今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス

体外受精の準備 7.体外受精のQuality Control

体外受精のQuality Control

著者: 森本義晴1 井上剛1

所属機関: 1河内総合病院不妊センター

ページ範囲:P.1023 - P.1029

文献概要

 体外受精・胚移植法が初めて行われるようになって15年になり,現在では小規模のクリニックでさえ簡単に行われるようになった.しかし,一定のレベルの成功率を維持することはなかなか困難でそのためには多くの時間と工夫を要する.成績維持の基本となるのがQuality Control(以下QC)である.体外受精プログラムは,QCに始まりQCに終わると言っても過言ではないほどにこれは重要である.当センターでも体外受精プログラムを始めて5年になり,現在では比較的水準の高いプログラムに仕上がったと自負しているが、ここまでの経路はけっして平坦ではなかった.時には,妊娠症例なしの状態が何週間も続いたことがあった.そのたびに,QCの是非を自分たち自身に問い直し,さらにチェックを重ねるという試行錯誤の連続であった.成績不振時のblack holeにはまったら,他施設の意見はあまり参考にならない.体外受精プログラムは生き物で,同じように運営されていると見えても微妙に施設施設によって内容が異なるからである.例えば,超純水の基となる原水は地域によって異なりまったく同じ条件とは言えなくなる.そこで,プログラム開始の時にできるだけ精度の高いQCの方法を確立しておき,成績不振時の緊急の際,うろたえないようにしておくことをお勧めする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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