icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻8号

1995年08月発行

今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス

体外受精の合併症とその対策

6.染色体分析

著者: 吉澤緑1

所属機関: 1宇都宮大学農学部

ページ範囲:P.1113 - P.1118

文献概要

●はじめに
 ヒトの自然流産胎児において染色体異常の出現率が高いこと,とくに発生ステージの早い初期胚ほど,より高い出現率を示すことはよく知られている.さらに,近年汎用されつつある体外受精により得た初期胚において,染色体異常の出現率が高いことがマウス,ウシ,ヒトなどにおいて報告されている.これらの染色体異常のほとんどは流産に終わると考えられることから,体外受精胚の正常性について染色体の観点から明らかにしておく必要があると考えられる.また,体外受精においては諸条件の設定が人為的に可能であることから,胚の染色体異常の出現率に影響する条件を明らかにすることによって,染色体異常の胚の出現率を低下させることができると考えられる.
 研究上,医療上の目的のために初期胚の染色体を調べるには,染色体標本を作製する必要がある.本項では,初期胚の染色体標本作製法と標本作製に際して留意すべき点について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら