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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻8号

1995年08月発行

今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス

体外受精—私のコツ

6.成田病院

著者: 成田収1

所属機関: 1成田病院

ページ範囲:P.1179 - P.1181

文献概要

●はじめに
 不妊症治療の最終的な治療法としての体外受精・胚移植法が登場して早くも10数年が経過した.この間,多くの先人の絶えまざる努力によって胚の凍結保存法,配偶子卵管内移植法,Gn-RHaの導入,超音波診断装置による経腟採卵法,顕微授精法などの新しい技術が次々に登場して,体外受精法はより簡便,正確に実施できるようになった.この間,わが国において体外受精の実施症例数,施設数共に著しく増加し,その成績も次第に向上してきている.1992(平成4)年1年間の統計によると1),体外受精法で15,515回の採卵が行われ,2,446回の妊娠が成立し,移植あたりの妊娠率は24.4%となっている.しかし,最終的な目標である生産率は対移植周期あたり15.7%と20%に達していない.同じ時期の1992年の米国において行われた成績2)でも体外受精法で24,996回の採卵が行われ,5,279回の妊娠が成立し,移植あたりの生産率は19.2%でやはり20%を割っている.わが国あるいは米国におけるこの体外受精の成績は,将来,ゆるやかに向上はしていくであろうが,これが飛躍的に上昇するとは思われない.胚の正常自然周期における着床率,加齢の影響などを考えるとおのずから限界がある.ここでは与えられたテーマについて述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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