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文献概要
今月の臨床 婦人の尿失禁—トラブルへの対処 排尿のしくみ
2.解剖と蓄尿,排尿のメカニズム
著者: 井川靖彦1 小川秋實1
所属機関: 1信州大学医学部泌尿器科
ページ範囲:P.1220 - P.1222
文献購入ページに移動 下部尿路は,膀胱およびその排出路(膀胱頸部,尿道,外尿道括約筋)という2つの機能単位からなり,蓄尿および定期的な尿の排出(排尿)という2つの相反する機能を持つ.蓄尿時には膀胱内の尿が漏れないように,尿量が増えても膀胱内圧が低く保たれ,排出路はつねに閉じており,尿道閉鎖圧は膀胱内圧よりも高く維持されている必要がある.一方,排尿時は,随意的に,排尿が開始でき,膀胱の収縮とともに排出路の抵抗が低下して,円滑に尿が排出されなければならない.
この蓄尿および排尿における膀胱と排出路の協調機能の大部分は脳幹部の橋排尿中枢以下の自律神経系の反射制御による.この自律神経反射に橋より上位の脳による制御が加わり,随意的な排尿の抑制,開始が可能となる.
この蓄尿および排尿における膀胱と排出路の協調機能の大部分は脳幹部の橋排尿中枢以下の自律神経系の反射制御による.この自律神経反射に橋より上位の脳による制御が加わり,随意的な排尿の抑制,開始が可能となる.
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