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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻9号

1995年09月発行

今月の臨床 婦人の尿失禁—トラブルへの対処

尿失禁を治療する

13.骨盤底再教育

著者: 中田真木1

所属機関: 1東京都老人医療センター婦人科

ページ範囲:P.1262 - P.1264

文献概要

骨盤底再教育(PFR, pelvic floor re—education)とは
 PFRのアイディアは,合衆国の産婦人科医Kegelが1948年に提唱した骨盤底体操(pelvicfloor excercises, PFE)に遡る1).Kegelの奨励したPFEは,腹圧性尿失禁の治療として,短い骨盤底筋群の収縮を1日300〜400回くり返させるというものであった.Kegelは,この理学療法の理論的根拠や実施方法について詳しく説明しなかった.その後PFEは主に欧州で理学療法士や助産婦によって続けられ,経験に基づきさまざまな工夫と改良とが加えられたが,ごく最近までは,排尿障害の治療として脚光を浴びることはなかった.
 1980年代後半になると,先進国では,医療は文字通り人間の寿命を延ばすというより,人間が社会の中で活動的に暮らせる時間を長くするために尽力しなければならないという認識が少しずつ高まっていった.女性の尿失禁はごく月並みなハンディで,患者の生活の質を損なうものとして社会的に重要である.そこで,産婦人科医療における尿失禁の診療には以前よりも大きなエネルギーが注がれ,その治療法のPFRも以前より注目されるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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