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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科49巻9号

1995年09月発行

私の臨床

不妊症外来における注射の副作用について

著者: 宇津宮隆史1 指山実千代 足達明予 磯崎美智子

所属機関: 1セント・ルカ産婦人科

ページ範囲:P.1325 - P.1329

文献概要

 不妊症診療において多用されるHMG製剤の卵巣過剰刺激症候群などを除くアレルギーなどの直接的な副作用を調べた.対象は外来患者延べ1,747例で,検討したHMG製剤はパーゴグリーン,フェルティノームP,ヒュメゴンなどでHCG製剤についても調べた.その結果,注射時の局所の痛みはすべての製剤の50%以上に認められ,とくにヒュメゴンにその傾向が強かった.また副作用と思われる頭痛,局所の圧痛,発赤などは20%前後,全身倦怠感は7.7%に見られ,その出現日は注射初日が多かったが,中には途中で現れる例も見られ,徐々に全身倦怠感が強くなり,点滴を必要とし,製剤を代えて治った例もあった.そして全体の8.35%に何らかの副作用症状が認められた.これらはその精製行程から考えて製剤中の不純物に対するアレルギーによると考えられ,製剤の純化が待たれると同時に,われわれも日常診療ではこれらの点に注意しておくべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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