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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科5巻11号

1951年11月発行

原著

正規胎盤より得た乳汁分泌促進物質に就いて

著者: 赤須文男1 大谷知寸1

所属機関: 1東邦醫科大學産婦人科教室

ページ範囲:P.439 - P.445

文献概要

Ⅰ緒論
 乳腺の發育並に乳汁分泌機能に就ては古來より實に多數の業績があるが,本邦に於ける藤井(久)氏(昭和13年)の實驗は過去の多數の業績を検討し,その一つ一つに就て詳細な追試を行い,且つ新しい見地から是等の問題に研究の斧を加え,理論整然たる中に結論を確立したものであつて,その細微に亘る用意周到の實驗に就いては蓋し驚嘆に價するものがあると思うのである。一方,乳汁分泌なる現象を考えて見るに,母體と胎兒,次いで乳見,下垂體と胎盤,而も,胎兒と胎盤は妊娠末期を終了すれば分娩として排出せられるものである等,この間に於て,不必要の時には乳汁分泌なく(妊娠中),必要時に到らば(産褥時),直ちに乳汁分泌作用が發現するなど,是等のデリケートな問題を何が司つているのか,一言にして言えば下垂體と胎盤であろうが,こうした微妙な問題に就ては尚,研究さるべき餘地が残されているのではないかと推察される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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