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境界領域 精神科から
精神科からみた産婦人科
著者: 懸田克躬12 石崎孝夫2
所属機関: 1順天堂醫科大學 2順天堂醫科大學神經病學教室
ページ範囲:P.271 - P.273
文献購入ページに移動1.課題の意圖 日常の診察のあいだで,産婦人科の領域と精神神經科の領域とが,どのような交渉をもつかを明らかにすることが,おそらくは,われわれに與えられたテーマの意圖であろう。
この2つの專門領域の交渉は,いろいろの意味で考えられるが,特に實地醫家を考えた場合に,われわれの問題は,1つには,産婦人科の診察の對象となる,生理的,または病理的現象に伴なつてみられる,精神神經科領域の障害の問題であり,2つには,その苦痛の現われ方が産婦人科疾患を思わせるために,産婦人科を訪れるが,實は,精神神經科領域の疾患であるものがないかの問題であろう。また,われわれ精神神經科の醫師としての側からは,1および2に關連するが,神經科を訪れやすいが,實は産婦人科でとりあつかうべきであるものを,われわれがみ逃していわしないかの問題がある。もちろん,こゝには,このすべてをつくすことはできないので1,2の問題を考察するにとどめなければならぬ。
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