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速報・豫報
性中樞への體液的侵襲に關する研究(第2報)
著者: 小林隆1 小林拓郞1
所属機関: 1東京大學醫學部産婦人科教室
ページ範囲:P.334 - P.336
文献購入ページに移動 筆者等は既に臨床婦人科産科第5巻第4號豫報欄に於て表題に示す如き研究の實驗計畫大要を述べたが,今回はその實驗の1部,即ち銅鹽並にカルヂアゾールによる性中樞への侵襲機序の研究に就いて,筆者等が行つた實驗成績を報告し,併せてその本態に關して考察したいと思う。既に述べた樣にFevold (1936)によつて發見された,醋酸銅耳靜脈内注射による排卵機序の本體に關しては多くの學者により研究され,觸媒説:(Fevold),卵巣刺戟説(森),腦下垂體刺戟説(Bischoff)を經て今日では間腦侵襲説に到達した觀がある。他方臨床的,病理解剖的乃至實驗的研究により所謂間腦,下垂體系の概念が確立されている事からも斯る間腦侵襲の結論は妥當なものと考えられる。即ち銅鹽に依る排卵後には交尾に依る排卵後と全く同樣な前葉内性腺刺戟ホルモン量の急墜があること(小林1940,Bradury 1944,内藤1947),或いは腦下垂體莖切斷により該反應が阻止されること(Brooks 1940,)更には直接第三腦室内に靜注量の1/200〜1/300の微量銅鹽を注入することによつても排卵がおきること(Harris 1940)等の實驗成績は何れも性中樞への直接侵襲を推定させるものである。
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