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今月の臨床 子宮内膜症—Controversy '96 子宮内膜症—Q&A
1.子宮内膜症は増えているか
著者: 杉本修1
所属機関: 1武田総合病院産婦人科
ページ範囲:P.10 - P.14
文献購入ページに移動 子宮内膜症はRokitansky(1860年)の報告,Sampson1)(1924年)の月経血逆流移植説の発表以来,婦人科医の興味をひく疾患になり,多くの疫学的調査が報告されてきた.この中でみられる本症の発生頻度の変遷は,報告者によってあまりにもばらつきが多く,時代の流れによる本症の発生動向を探ることはかなり困難である.
婦人科診療の現場では,近年本症の患者が増加してきていることは実感されるが,その真の罹患率(morbidity rate),すなわち一定の期間の,一定地域における単位人口当たり,子宮内膜症の発生率の変化についての確かな報告は見当たらない.これまでの報告の多くはいわゆる有病率(prevalence),すなわちある特定集団の,ある期間における本症の発見の割り合いを調べたもので,これらを参考にしてはたしてどれだけ真の発生動向を探れるか検討してみたい.
婦人科診療の現場では,近年本症の患者が増加してきていることは実感されるが,その真の罹患率(morbidity rate),すなわち一定の期間の,一定地域における単位人口当たり,子宮内膜症の発生率の変化についての確かな報告は見当たらない.これまでの報告の多くはいわゆる有病率(prevalence),すなわちある特定集団の,ある期間における本症の発見の割り合いを調べたもので,これらを参考にしてはたしてどれだけ真の発生動向を探れるか検討してみたい.
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