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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻1号

1996年01月発行

今月の臨床 子宮内膜症—Controversy '96

子宮内膜症—Q&A

8.不妊治療成績からみた内膜症保存手術療法の効果は

著者: 長田尚夫1 角田郁夫1 津端捷夫1 佐藤和雄1

所属機関: 1日本大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.37 - P.39

文献概要

 不妊治療において子宮内膜症は,最もよく遭遇する疾患であるが,不妊との因果関係についてはいまだ不明であると言っても過言ではない.非常に重症な子宮内膜症であっても手術療法によって卵管と卵巣の位置的関係を解剖学的に正常に戻すことによって術後妊娠に至るケースを日常よく経験する.一方,不妊検査のために行った腹腔鏡検査によってブルーベリー斑や散布状黒斑などを偶然認めることがあるが,これら軽症な子宮内膜症が不妊とどの程度関係しているかについては明らかにされていないのが現状である.骨盤内環境を構成する因子には,子宮内膜症の他にも感染症や癒着など多くがある.子宮内膜症を認めたからといって,即不妊原因と結びつけるのは問題が多いといえる.とくに卵管は,感染に弱く容易に卵管炎を併発し卵管性不妊へと移行することも明らかである.
 本稿では,不妊治療成績からみた内膜症保存手術療法の効果を検討するために,われわれが観血的治療を行った症例を中心に治療効果について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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