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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻1号

1996年01月発行

今月の臨床 子宮内膜症—Controversy '96

子宮内膜症—私はこうしている

1.問診上の注意

著者: 本多洋1

所属機関: 1三井記念病院産婦人科

ページ範囲:P.54 - P.55

文献概要

先入観にとらわれないこと
 本症患者の主訴は,いうまでもなく月経困難であろうし,ときには付随する不妊なども挙げられよう.しかし月経困難や不妊を主訴とするからといって子宮内膜症であると速断してはならない.月経困難をともなう女性の病態は子宮内膜症以外にも数多く存在する.たとえば子宮筋腫では,過多月経とともに月経困難をともなうことはめずらしくない.月経困難=子宮内膜症とはいえないのである.
 たしかに子宮内膜症と思える主訴を有する患者は増加しているが,実際にそのすべてを腹腔鏡や開腹手術で確認できるわけではないので,問診の段階では考えうる病態のあらゆるものを念頭においておかなければならない.もしも最初の問診において子宮内膜症に違いないという先入観が生じるとそれ以後の診察・検査・治療のすべてがそれにmisleadされ,ときに過剰検査・過剰治療を招きかねない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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