連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
子宮頸部円錐切除術の一工夫:連続Sturmdorf縫合
著者:
髙倉賢二1
野田洋一1
所属機関:
1滋賀医科大学
ページ範囲:P.92 - P.92
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子宮膣部異形成上皮や初期頸癌に対する治療・検査法として,子宮頸部円錐切除術が日常的に行われている,その手技としては高周波やレーザーによるもの(hot conization)といわゆるcold—knife conizationのふたつの方法がある.hot con—ization,とくに,LEEPは機器も安価・簡便で,手技自体も単純かつ短時間ですみ,術中・術後の出血も少ないという利点が大きいが,criticalな症例では自在に切除範囲を決めることができ,摘出標本の病理診断にも最も適したcold-knifeconizationを行うべき場合も多い.使い分けが必要であるが,cold-knife conizationは時間もかかり,術中出血も多く,さらに,最も不快な問題として術後1週間前後で認められる出血があり,輸血を要することもある.今回はcold-knife con—izationを行うに当たって,この術後出血を回避する一工夫を紹介する.
まず,図Aのように切除部の外側の8方向に針付き3-0バイクリルにて止血と牽引用を兼ねた結紮をおく.型のごとく円錐切除を終わると,8針のバイクリルを図Bのごとく,それぞれの結紮糸をSturmdorf縫合と同様に,両断端を頸管を通して最初の縫合部より外側に出し,それぞれを結紮する.この時,必要に応じて適当な針をつけて頸管内に通すが,前立腺の丸針が使いやすい.