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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

臨床経験

ICSI(卵細胞質内精子注入法)のシステムの簡素化の試み

著者: 森若治1 神谷博文1 渡利道子1 高階俊光1 東口篤司1 田中恵美1

所属機関: 1斗南病院産婦人科

ページ範囲:P.106 - P.108

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 重度乏精子症,精子無力症などの高度受精障害にICSI(lntracytoplasmic Sperm lnjection;卵細胞質内精子注入法)は広く行われており,本邦においてもすでに分娩例が報告されているが,ICSIのセッティング,手技には熟練を必要とする.今回われわれは,ICSIのシステムの簡素化を試みて,市販のインジェクションピペットを使用し,良好な成績を得たので報告する.
 1995年5月に,重度乏精子症5例5周期,36個の卵に市販のインジェクションピペットを用いてICSIを施行した.27個受精,6個損傷があり,受精率は卵操作当たり75%,卵損傷率は卵操作当たり16.7%であった.受精した27個はすべて分割した.5例全例に胚移植を行い,1例の妊娠例を得た.妊娠率は20%であった.現在単胎で妊娠継続中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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