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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻1号

1996年01月発行

文献概要

症例

子宮腟部原発と考えられる悪性リンパ腫の1例

著者: 藤井多久磨1 太田邦彦1 菊地正晃1 隅田能雄2 木口一成2 照井仁美2 長谷川寿彦1 野澤志朗2

所属機関: 1国立栃木病院産婦人科 2慶應義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.109 - P.112

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 我々は子宮腟部原発と考えられる悪性リンパ腫の1例を経験した.症例は黄色帯下を主訴として来院した67歳の女性である.その子宮腟部擦過細胞診では,小型の過染核を有する細胞が出現し,小細胞非角化型扁平上皮癌,濾胞性頸管炎,未分化癌,肉腫などと鑑別を要す細胞像を示した.子宮膣部より採取した生検組織のHE標本と免疫組織化学的検索の結果から,LSG分類による,びまん性,大細胞,B細胞型の悪性リンパ腫であると診断された.
 子宮原発の悪性リンパ腫は比較的晩期に発見されることが多く,臨床病期が進んだ症例では治療を開始しても1年以内に死亡する症例が多い.したがって,細胞診のスクリーニングにおいては,本疾患の細胞像を十分理解しておくことが,早期発見のためにはきわめて重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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