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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻10号

1996年10月発行

文献概要

今月の臨床 ホルモン療法—新しい動向を探る 副作用とその対策

4.GnRHアゴニストと骨粗鬆症(うつを含む)

著者: 植村次雄1

所属機関: 1横浜市立大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1312 - P.1313

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 GnRHアゴニストは子宮内膜症,子宮筋腫などエストロゲン依存性の疾患,病態の治療に有用で広く用いられてきている.このGnRHアゴニストはエストロゲンの低下をもたらし,病態を改善させるが,この低エストロゲン状態の持続により骨量は減少する.当初はSPA(single photon absor—ptiometry)やDPA(dual photon absor—ptiometry)による腰椎の骨量測定結果によりGnRHアゴニスト療法は骨量に影響しないと報告された.その後,腰椎でも海綿骨に限局して測定可能なQCT (quantitative CT)や,精度および再現性の優れているDXA(dual en ergy X—ray absorptiometry)による測定でGnRHアゴニストは骨塩量に影響を及ぼすことが認められている.
 GnRHアゴニストによる骨量減少の報告を表1に示した.骨量減少率は測定法,投与薬剤で相違がみられ,DXA法よりQCT法,経鼻剤よりデポ剤のほうが高率の傾向を示し,全体としてみると,6か月間の投与で腰椎の骨量は投与前に比較して有意に減少する.治療終了6か月後でみた骨量回復については,回復とする報告もあるが,回復傾向にあっても6か月後投与前値に復さないとする報告のほうが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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